【キャラ設定の作り方】キャラが立つ設定を作る4つのコツとは?

こんにちは!

漫画人トウカ(マガジントウカ)です。

今回で5記事目となりますが、皆さん漫画を描く習慣は続いていますか?

 

本記事では前回に引き続き「主人公設定の作り方」を解説していきます。

前回記事では、ネットでよく見かける「キャラ設定シート」を埋めてもうまく話が作れない理由について説明しました。

まだ読んでいない方はこちらを読んでから今回の記事を読むと、より理解が深まると思います。前回記事はこちら↓

 

touka-tokatoka.hatenablog.com

軽く前回のおさらいをすると、「キャラ設定シート」ではキャラ設定作りに本当に必要な要素”以外”の項目について決めさせ過ぎだと解説しました。

「じゃあキャラ設定作りに本当に必要な項目って何なの?」という事が今回の内容となっております。

 

では解説していきましょう!

キャラが立つ設定を作る4つのコツとは?

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Unsplashより引用

(決めるべき設定を押さえておけば、キャラが勝手に動く!?)

皆さんは自分の考えたキャラが頭の中で勝手に動き出して、話を作ってくれた…という経験はあるでしょうか?

「そんな事ってあるの?」という人や「何キャラか作って1回くらいはあるかも?」という人が多いかもしれません。

中には「そんなの成功したプロが比喩でそう言っているだけでしょ?」という人もいるかもしれません。

が、そんなことはありません。確かな方法論があります。

 

前回記事から読んでくれている方は「いいから早くキャラの作り方を教えてくれ!」と考えていると思いますのでズバリ結論から言います。

キャラ設定作りで決めるべき項目は、

  1. 動機
  2. 性分
  3. 展開
  4. カルマ

の4項目です。

 

それでは順番に解説していきます。

 

(動機)

まず初めに、私のブログ第2回の記事で軽く触れましたが、主人公の設定とは「いかに困難な目標を達成しようとしているか?」がネタの面白さを決める鍵になっていると説明しました。

想像してみてほしいのですが、私たちは普段生活していてどう見ても困難な目標を達成しようと思って普通に生活しているでしょうか?

つまり漫画の主人公には、その困難な目標を「達成したい!」と思うに至った「動機」があるはずです。その「動機」を描くことが漫画の中ではとても重要になります。必ずエピソードとして(基本的にナレーションのような形はNG)入れてください 。


今回も例の如くワンピースに例えてみると、ルフィが仲間との絆や友情を大事にするのは、過去にシャンクスに命懸けで助けてもらった経験があるからです。この経験がルフィが仲間を大切にする理由であり、ルフィ自身を動かす原動力でもあるのです。

 

まとめると、”漫画のネタ”と”主人公の設定”を考えたら、必ず主人公が目標達成したいと思う動機を一緒に考えてください。
その動機が主人公やストーリーを動かす原動力になるのです。

 

(性分)

次に「性分」について解説していきます。
ここでは「性分」とはデフォルメされたキャラクターの性格のことを指します。


一言で言うと「〇〇しないと気が済まない性格の(主人公)」と言う形で言い表すことができます。


このフェーズではその〇〇に当たる部分を考えます。
ここで重要なのは一番最初に考えた動機の部分で決まった過去の出来事などをもとに主人公の性格が決まっていると言うことです。

よってまとめると、「× ×な動機があったから主人公は〇〇しないと気が済まない性格になった」と言う考えになります。

この動機と主人公の性分が決まったことでかなり主人公像がはっきりしてきませんか?

 

なのでここまでの内容を念頭に置いて1度他のいろいろな漫画作品や映画作品などを見返してみて欲しいのですが、最初にこれらが説明されている作品はとてもよく主人公に感情移入することができると再確認できると思います。

 

(展開)

次に「展開」について説明していきます。
「展開」とは最初の2項目で決めた「動機」と「性分」があることによって、「主人公がどんな話の展開になったらどういう行動をするのか?」ということについて決めていきます。


再び例のごとくワンピースで例えると、ルフィはシャンクスに助けてもらった経験から、「仲間のピンチを助けないと気が済まない性分」であると言えます。なので仲間が海軍に捕らえられようものならルフィは全力で乗り込むであろう展開が予想されますよね?
もしくは仲間が侮辱されればたとえ天竜人や貴族であってもグーで殴ってしまう展開が予想されるし、読者の我々もついルフィにはそうしてほしいと望んでしまいます。


つまり「仲間との絆を大切にしないと気が済まない性分」のルフィには仲間との絆を問われる展開が期待されていると言うことです。

 

なのでここまでをまとめて「展開」について一般化してみると、「展開を考える」とは先ほど決めた、「主人公の性分(〇〇しないと気が済まない)を見せるようなイベントを考える」と言うことです。

 

そして「展開」は毎回その時のシチュエーションによって手を変え品を変え主人公(ルフィにとっては仲間との絆)を試すのです。

それがアーロンパーク編であったりアラバスタ編であったりエニエスロビー編へと姿を変えていると言うだけの話なのです。

 

ここで1つポイントなのが、どんな感情(喜怒哀楽など)を伴う展開がある時に、主人公はどう違う行動を起こすのか?について考え、差別化してみて下さい。

 

つまり、「〇〇しないと気が済まない主人公」なら嬉しいときどうするだろうか? 悲しい時どうするだろうか? 怒っていたらどうするだろうか? などです。


逆も然りで、「〇〇しないと気が済まない主人公」が嬉しいと思う展開はどんな展開があるだろうか?、悲しいと思う展開はどんな展開だろうか?思わず怒ってしまう展開はどんなものがあるか? などを考えると「この主人公だったら~~な時~~な事しそう!」というイメージが固まってくると思います。

 

ここまでの3つのポイント、「動機」「性分」「展開」こそが主人公を形作る柱なのです。


これらの設定が明確になればもうかなり皆さんの頭の中で主人公は動き出しているのではないでしょうか?

でもここで疑問に思った人もいるかもしれませんが、あと1つ「カルマ」と言うものがあります。
この「カルマ(業)」は何のために決めるかと言うと、主人公に感情移入してもらうために決めます。

 

(カルマ)

ここで質問ですが、皆さんはいくら困難な目標達成を目指しているとは言え、主人公がスラスラ課題をクリアしていく話が面白いと思いますか?

 

私の第2回目のブログで話しましたが、主人公は達成困難な目標を目指しているものです。
そして私たち読者が主人公に「頑張ってほしい!」「応援したい!」と思えるのはそれは他の人より大きな荷物を背負っているキャラだからです。これがここで言う「カルマ(業)」に当たります。

 

例えば、”同じ道を通って同じお店に行く”のでも、”気力の充実したアスリート”が同じ道を通るのと、”田舎から出てきて荷物も多く、その地域の土地勘もないよぼよぼのおばあさん”が同じ道を通って同じ店を目指すのであれば、どちらを助けてあげたくなりますか?

 

よほどひねくれた人でなければ、よぼよぼのおばあさんの方を応援して助けてあげたくなりますよね?
「感情移入」とはそういうことです。主人公が抱える大きな荷物(カルマ)について考えていきましょう!

 

まず初めに結論から言うと、「カルマを背負う」とは、主人公が「達成したい目標と逆方向の性質を”強く”持ってしまっている」という事です。

 

例えば「るろうに剣心」の緋村剣心がカルマを持っています。

 

それは「廃刀令後の日本で帯刀している」こと、
そして「その刀が逆刃刀(刀は人を斬るための武器であるが、人を斬らない武器)である」ということ、
「元々人斬り侍であった剣心が今は人を守るために活動している」という事、これら全てが主人公の達成したい目標とは逆説的な状況になっています。

 

主人公は今まで人をたくさん切り殺してきた過去を悔いてそれとは真逆の人を守るための活動をする中でたくさんの葛藤をします。これがカルマであり、つい主人公に感情移入したくなる要素なのです。

「カルマ」とは言い換えれば「そのキャラが抱える自己矛盾」の事です。

 

ここまでをまとめると、「主人公にはとある動機があり、それによってこんなカルマを抱えていて、そのため〇〇な性分の性格で、こういう展開を起こすキャラなのだ!」…ということを決めるのが「キャラクター設定を決める」と言うことなのです。

 

このように主人公の考え方や性格、悩みを決めておくことでどんな展開を起こすのかがイメージだけでなく理屈で分かります。これによって主人公が勝手に動き出すということに繋がります。

 

キャラが勝手に動き出せば「どんな行動をしそうか?」、「どんな服を選びそうか?」、「どんな生活をしていそうか?」などが分かるので、キャラクターの見た目や趣味嗜好などもどんどん決まっていくということが分かるでしょうか?

 

なのでキャラクター設定を決める上で本当に大事な4項目とは動機、性分、展開、カルマなのです。皆さんもこの4つに絞って決めることで、魅力的なキャラクターをどんどん作っていきましょう!

 

皆さんの漫画ライフに幸あらんことを!!